四月五日の復活祭の朝、私はモン・トランブランの家で目覚めました。昨夜雨が降ったので、まだ二十センチ程残っている雪が少し溶け、その表面はガリガリになっていました。道路と家の間の車寄せは、半分水浸しになり、泥んこでした。
ちっとも綺麗ではありません。以前は滑らかで真っ白だった雪は、小石や埃やモミの木の枯れ葉などをかぶって、茶色くなっていました。何度もやってきた吹雪で折れた木や枝が、そこらじゅうに散乱しています。
世界にはまだ色がありません。目の前の丘に見えるのは、葉を落として、茶色っぽい灰色の幹だけになった木々や、変色し、疲れ果てた常緑樹。その足元のところどころには汚れた雪。鉛色の空。
思わずため息が出ました ー 春が待ちきれなくて。
午後、長靴を履き、スコップをもって外に出ました。勝手口から車寄せまで、溶けかけた雪をガリガリ削って通路を作りました。真冬の雪に比べ、水分を含んで、ずっしりした重さです。やっとの思いで、水たまりに足を踏み入れた時、パシャッという音がしました。
パシャッ! 水の音です! 最後に水の音を聞いたのは、六ヶ月前のことでした!
それから、道路沿いの溝からもっと大きな水音が聞こえてきました。冬の間中、溝はカチンカチンに凍って、その上に厚く雪が積もります。やっと、その雪が半分ほどなくなったので、雪溶け水を集めた流れが姿を現し、力強い音があたりに響いていました。
水の音は、全く音のない冬の静けさを破っていました。もうすぐ、さまざまな音や、色が次々とやってくることでしょう。鳥の歌声、草や木の芽吹き、色とりどりの花々などが。
水の音は、春の一番乗りの合図、いのちの復活を告げる最初の音でした。